農地(生産緑地)の納税猶予の手続きについて、箇条書きで説明します。

外してはいけないポイントと、迷いやすいところを中心に記載します。

なお、詳細は税務署、市役所(農業委員会・都市計画課)にて確認してください。

① 納税猶予の概要をクライアントに説明する

原則、農業相続人は生涯営農。

営農継続届出書は3年度ごと終身提出する。

売却等をした場合は遡り課税となり、猶予されていた税額及び利子税を払うことになる。

対象となる土地には抵当権が付される(抵当権者は「財務省」)。

小規模宅地の特例と同じく相続税全体の負担軽減につながり、他の相続人にも恩恵がある。

② とにかく遺産分割を終わらす

農業相続人がその農地を相続することが絶対条件。

よって農業委員に行く前に分割を終了させ、かつ、相続登記も終わらせるべき。

この”円満”相続へ導くことこそが、手続きの一番のポイント。

③ 農業委員会と都市計画課へ資料を提出する

農業委員会には締め日があり提出期限に注意しなければならない。

例えば月末締め⇒証明書発行は翌月15日というケース。

申告期限が10月上旬の場合は、9月では間に合わないため、8月までに書類を提出しなければならない。

提出書類は各市役所のHPにアップされている。

土地登記事項証明書は・・・登記情報提供サービスでダウンロードしたものは不可。

相続関係書類の写し・・・相続登記が終了していたら不要。

また、提出書類の一つである「適格者証明願」には、あらかじめ地元農業委員の確認印が必要。

地元農業委員の連絡先はクライアントが知っているので、事前に連絡しておくこと。

④ 相続税申告

1)~3)は国税庁のHPからダウウンロードできる。

1)担保提供書(農地等についての納税猶予用)・・・納税額の欄は空欄でよい。捨印をしておくこと。

2)担保目録:土地・・・土地の表示の欄のみ記載

3)抵当権設定登記承諾書・・・納税額の欄は空欄でよい。捨印をしておくこと。

4)農業委員会と都市計画課から受け取った証明書

5)印鑑証明書

6)登記事項証明書

7)土地の所在図(住宅地図等)

以上が実務です。