最近、いわゆる「自宅投資家」からの相談が増えている。

自宅投資家とは、昨今の都心部における不動産価格の高騰により、

都心のマンションの購入、居住(賃貸)、売却を繰り返すことで資産を増やした方だ。

値上がり益で手に入れた現金は預金口座に寝かしていても増えない。

だから、これからも不動産投資に回して増やしていくんだと。

しかし注意していただきたい点がある。

 

まずは、「本業は絶対やめてはいけない」ということ。

本業の収入があるから生活の土台がしっかりしていて、金融機関からの信用力もある。

あくまで自分は本業のプロであり、不動産のプロではないはずだ。

今までは”たまたま”地価が上がって”たまたま”儲かっただけ、ではなかったか。

FIREなど論外。身の丈に合わない借金もしてはいけない。

 

そして、「不動産投資は楽して儲かる」と思っている方が多いが、間違いなく「×」だ。

不労所得と考えて良いのは一部の土地持ち階級のみ。

キャッシュフローベースでプラスに転じるまでには時間がかかるし、

一枚のエクセルの収支計算書で投資を判断するのは危険すぎる。

 

また、「新聞広告で掲載されている物件は儲からない」と思って良い。

利回りで飛びついてはいけない。

利回りが良い=不動産の価値が低い。計算式からも明らか。

なぜこの物件は売りに出されているか?

なぜ儲かる(といわれた)物件が、私なんかに紹介されたのか?

19世紀のゴールドラッシュで儲かったのは金を掘りに来た人ではなく、

彼らにジーパンなどの物資を供給したサプライヤーだったという。

大事なお金のはなし。中立的な第三者の意見を聞いてほしい。

「保守的な奴」と断じる前に。