税務調査の話し。
調査において調査官が「追加でこれだけ払え」というのが「更正」。
一方、納税者が自ら誤りを認めて申告をし直すことを「修正」といいます。
税務調査では、調査官は「更正」ではなく「修正」を勧めます。
「ココが間違ってますから、修正申告を出しておいてくださいね。」みたいな感じ・・・
ではなぜ「更正」ではなく、納税者にわざわざ修正申告をさせるのでしょうか?
理由は「更正」の場合、税務署内の手続きが面倒だからです。
更正の手続きはとても厳格で、署内では稟議を上げる必要があります。
稟議を上げるにあたっては、間違っていると判断した内容が法律のどの部分
に抵触しているか、またその金額はいくらかを明確にしなければなりません。
「たぶん私的な流用をしているな」とか「どう考えても不自然だ」とか
「取引金額が相場に比べて高い(低い)から」とかではダメです。
また、納税者の納得もなく更正をすると、ほぼ確実に不服申し立てをされることに
なりますので、税務署としては余計に手間がかかります。
以上の理由から税務署は「更正」ではなく「修正」を勧めるのです。
(つづく)