不動産の相続税対策の第4回目は「欠損会社への建物の贈与」です。
個人が所有する収益物件の建物部分のみを会社へ贈与します。
借地権の設定により、その土地は底地価額となりますので、土地の評価額が下がります。
建物は「みなし譲渡(時価で売ったものとみなす)」の扱いを受けますが、実務上は
時価=簿価ですので譲渡益は発生せず税負担はありません。
一方、会社側はタダで建物を受け取ったので受贈益を計上しますが、建物価額以上の欠損金
があればこちらも税負担はありません。
ただし会社の株主が誰かを確認することは必要です。
建物所有者≠株主の場合には株価の上昇分について贈与税が課税される可能性があるからです。
事業承継を考えている場合は、このスキームを実行した後、計画的に株式を贈与するほうがよいでしょう。
もっとも、建物の贈与を受けてもなお株価がゼロ以下であれば問題ありません。
後、不動産取得税などの移転コストはかかりますのでその辺りのシミュレーションは必要です。